Ⅰ塩の製法と種類 6 天日塩と再製天日塩

※クリックすると図が拡大します
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   天日塩は、天日塩田で海水を太陽と風の力で自然に結晶させた塩です。日本では年間800万トン前後の天日塩をオ-ストラリア、メキシコ、フランスなどから輸入しています
  主の用途はガラス、合成繊維、セラミック、タイヤ、塩ビパイプなどのソ-ダ工業などの用途として、また医薬品、石鹸、染料、プラスチック、道路融雪剤、食品工業などの原料としても使用します。用途のほとんどが工業用ですので工業塩とは天日塩を指すのが普通です
   しかし一部は食用の再製天日塩の原料として使います(塩業界では天日塩再製せんごう塩と呼びますが、このホームページでは判り易い再製天日塩を使います)

   ここからは天日塩の作り方をお話しましょう
  天日塩を作るためには高温で雨が少なく、風がある程度吹き、流れ込む川がないことが最低条件です
  世界的な有名な天日塩田として、メキシコのゲレロ・ネグロ(三菱の資本)、オーストラリアのポ-トヘッドランド(丸紅資本)、ダンビアソルトシャ-クベイ(三井物産資本)などがあります
  天日塩田は、海岸沿いに池を大から小へと多数作ることからはじまります。池に海水を導入してから、泥や土や浮遊物を除去して、海水を次々と別の池に移動させるのです。その間に太陽(天日)と風の力で水分が蒸発して、池は塩の結晶で覆われて天日塩が出来上がります。メキシコやオ-ストラリアでは一年以上が、また中国やヨ-ロッパでは気候的条件の違いによって、半年程度かかります

   天日塩田に結晶した天日塩を採塩しますが、この天日塩の表面には劣悪なにがり石膏分、不溶解分などが多く付着しています。それらを海水などで洗い落した後に野積みして、水分を落とすわけです。洗浄直後には水分は30%位ですが、数週間放置すると2%以下になります。それを船にバラ積して日本などへ輸出するのです
   この洗浄脱水した塩を原塩(げんえん)、これを使いやすく粉砕したものが粉砕塩(ふんさいえん)です
   この原塩の表面や結晶を、洗浄したり異物を除いたりして、高温乾燥させて袋詰めしたものを洗でき塩(せんできえん)と呼びます。また原塩を海水や井戸水に溶かして異物を取り除いて精製し、平釜立釜などで煮詰めて作り直した再製天日塩があります

    さて再製天日塩の中には苦汁(にがり)を添加した製品もありますが、それはなぜでしょう
   出来たての天日塩は4.3%ものにがり分を含んでいます。しかし前述したように天日塩の表面が汚れていたり、良質でない苦汁に覆われていたりするため、とてもそのままでは食用には使えません。現地や日本での洗浄を繰り返すうちに0.2%ほどの苦汁(にがり)分になります。そのため無知な消費者を喜ばさせるためににがり分を添加するのです

   専売制末期のころから、専売塩以外のメ-カ-は自らを自然塩、天然塩、自然海塩と称していました。ホ-ムペ-ジ食の安全と安心(Web食の大事典)では、立体式塩塩(ネット式、枝条架式)海水蒸発塩逆浸透膜塩」の製法塩をいわゆる自然塩のグル-プとして扱っています(各製法については説明があります)