Ⅱ図と表で見る塩のミネラル a 「食塩」「並塩」は高純度塩(精製塩)か

※クリックすると図が拡大します
※クリックすると図が拡大します

   専売末期の頃、食塩や並塩はミネラルが欠落した精製塩とか高純度塩(塩の中の塩化ナトリウムの割合が高いこと)とよく批判されたものです

  表Ⅱ-1は当時食塩、並塩を批判していた業者の代表的な製品の塩の構成成分などを調べたものです。③のNaCl(塩化ナトリウム)とは塩化ナトリウム純度(NaCl純度)とも呼ばれており、塩の中の塩化ナトリウムの割合を意味しています
  塩のNaCl(塩化ナトリウム)は製塩メ-カ-によって「食塩相当量」「塩分」または「塩化ナトリウム純度(NaCl純度)」などとパッケ-ジ(裏面の原材料欄の下)に記載してあります。このホ-ムペ-ジでは解説をスム-ズにするためにNaCl純度を使います(%表示をする)

    このNaCl純度は、塩の中の塩化ナトリウムの割合を意味していますので「100%からNaCl(%表示)をひいた残りがミネラル分を含んだにがり」と考える人が多いようですが、それは間違いです
    表Ⅱ-1の③のNaCl純度を見てみますと、食塩は99.60%、並塩は97.62%ですが、再製天日塩などは84~96%台です。この数字だけで「食塩や並塩はミネラルが欠落しているが、再製天日塩などは 豊富」と結論付けることが出来るかもしれません
    しかし①の水分を見てみますと再製天日塩などの水分は2%~10%以上で、食塩の水分の15倍から54倍も含まれているのです。NaCl純度が低い塩は水分が多いと推測出来そうです・・・ 


*クリックすると図が拡大します
*クリックすると図が拡大します

  図Ⅱ-2の「塩の構成」を見て頂きますと、塩の結晶(A)の周りに、(B)のCaMgKなどのにがりの成分、そして(C)の水分が付着しています。別々に付着しているのでなく、にがり分が水に溶けて付着しており、結晶に入ることは出来ません
  日本のNaCl純度は、(A)+(B)+(C)の水分も含めた全体で、塩化ナトリウム(A)の割合を考えます。このNaCl純度を湿量基準(ウェットベ-ス)と呼び、水分が増えるほどNaCl純度は低くなります。日本で販売されている塩の多くは、悪い言い方をすると水ぶくれの塩が多く、見かけのNaCl純度(%)は大変低くなるのです(表Ⅱ-2参照)。ですからNaCl純度が低くてもにがり分が多いとは言えません
  しかし外国の塩の取引には湿量基準を使いません。外国では水分を除いた(A)+(B)で、塩化ナトリウム(A)の割合を考える乾物基準(ドライベ-ス)を使います。100%から乾物基準のNaCl純度を引けば、残りがミネラル分を含んだにがり分不溶解分などに相当します。けれども、にがり分に含まれるものすべてが身体のために役に立つわけではありません(後術するがCaSO4をにがりに含めている業者が多い)

 (当ホ-ムペ-ジでの精製塩とは、NaCl純度が高い塩のことで、塩事業センタ-が販売している商品の精製塩の事ではありません)

*図をクリックすると拡大します
*図をクリックすると拡大します

   さてここからは、日本調理科学会の会誌の市販食塩の品質Ⅱにある、133(135)点を利用しながらお話しすることになります(ただし中国産塩2点は、カリウムが大幅に添加してあるために、一部の統計資料としては除いてあります)
   市販食塩の品質Ⅱは平成15年に、海水総合研究所が店頭またはインタ-ネット上で購入した塩の、加熱減量(水分)、不溶解分塩化物イオンカルシウムマグネシウム硫酸イオンカリウム微量成分などの量を調べたものです
    これらの塩のNaCl純度を湿量基準から乾物基準に直して、便宜上Ⅱ-3の様に大きくグル-プ分け、更に統計利用するためにいろいろと加工を試みました
  それらを利用してグル-プごとのにがり分、水分、不溶解分、ナトリウムなどのミネラル、値段などを表、立体円グラフ、立体棒グラフなどを使って比較解説を試みたのです

※クリックすると図が拡大します
※クリックすると図が拡大します

   平成15年の資料では古いのではないかという御意見の方もおられますが、塩の製法や原料の海水を変えない限り、ミネラルなどの構成成分の割合はほとんど変わりません
   多くの製塩メーカーは釜などで海水を煮詰めて毎日塩を作っているわけですが、釜ごとに微妙に含まれるミネラルなどの構成成分の割合が違います。資料が古くても、その違いと同じだと考えても問題がありません