Ⅳ 塩雑学入門 3 専売とは

b専売の歴史

   専売の歴史は、この制度がいかに金を産む卵であったかの歴史です
  専売の最初はエジプト王朝のパピルス)紙)だと言われています。そして古代ロ-マ帝国時代には政府が塩の独占権(専売権)即ち販売、製造を握っており、役人や兵士の給料を塩で払っていた時期もあり、ラテン語の塩の配給を意味するサラリウムが英語のsalaryになったことは皆さん御承知だと思います
   またお隣中国では紀元前の頃、漢の国が栄え、大変豊かな国でした。しかし七代武帝の頃、度重なる近隣諸国への出兵、運河の構築、黄河の治水、宮殿の造営などで財政が緊迫したため、その財政を立て直す一つとして・鉄・の専売を始めました。この塩・鉄の専売を塩鉄之利(塩鉄の利)と言います

    イタリアのベニス(ベネチア)の商人だったマルコ・ポ-ロはシルクロードを通って元(中国)に入国し、17年間程元朝に従事していました。彼の著書の「東方見聞録」に、「塩を貨幣として使っている国がある」とありますが、これは当時塩がいかに貴重品であったかを物語っているのです
   さて世界に於ける近代的な専売は1800年代のフランスのタバコ専売から実地され、その後各国で専売が行われました。この理由は各国の国家予算の支出が大変膨張し始めたため、それに対処するために嗜好品を中心に税金をかける形の専売が行われたのでした

  日本において、正確には専売は江戸時代から行われるようになったと言われており、江戸幕府は鉄、銅、、タバコ、薬用人参、生糸などを、諸藩では領内で生産される商品や、領外から領内に入ってる商品の販売の独占を行いました
   これは貨幣経済が進む中、幕府や諸藩の財政が緊迫したためで、年貢以外の収入を得るためです。特に領内で生産される商品作物に注目し、この作物の生産を奨励し、 そしてその作物が普及すると諸藩は生産・販売を独占しました。主なものとして紙、櫨(はぜ・ロウの原料)、漆、塩、砂糖、樟脳(しょうのう・防虫効果)、藍(あい・青い色の染料)などたくさんの種類がありました

    そして前述した明治時代では、日清戦争後の1898年に財政飽満のためにタバコが、そして1905年日露戦争の戦費調達のために塩が専売になりました。これらは財政を助けるための財政専売でしたが、塩は人間が生きていくためにどうしても必要不可欠であるという認識の下で、財政専売から公益専売として1997年まで続けられました
    また一時産業保護のため樟脳が、燃料自給のために石油が、2001年まではアルコールが専売でした。塩などの行政専売(公益専売)は社会政策上の見地から、産業保護、消費者保護、治安維持、公衆衛生のために行われていたのです