Ⅳ 塩雑学入門 4海からの贈り物

   海からの贈り物という専売時代から40年近くも使われたのキャチフレ-ズがあります。専売公社そしてJTが家庭向けに販売していた食塩などの専売塩のパッケ-ジには必ず海からの贈り物のキャッチフレ-ズが目立ちやすいところに印刷されていたものです
   しかしこのキャッチフレ-ズは塩事業センタ-には受け継がれませんでした。その代わりといいましょうか、沖縄の大手再製天日塩メ-カ-に、塩を製造委託している会社の塩のパッケ-ジに使われています

   専売制が終わり、専売制に関わってきた大勢の人が塩事業センタ-からJTへ戻ると、このキャッチフレ-ズの海からの贈り物を先程の再製天日塩メ-カ-が自社の商標として商標登録してしまいました
   大きな会社には必ず法務部(法制局)などがあり、新聞や雑誌そして官報などを常にチェックしています。例えば今回の海からの贈り物の商標ならば、官報に記載されますので、それを見つけて公示期間中に登録の異議を申し立てます
    しかし塩事業センタ-は法務部を設けなかったために、この商標に対して異議を申し立てることが出来ませんでした。そもそも国の事業を受け継いだ財団ですので、民間の意識が希薄で、大事な商標の海からの贈り物を登録することをしませんでした
    あるJTの社員は「専売制度が終り、たくさんの人がJTへ引き上げ、忙しい時期を狙った、まるで火事場泥棒のような行為だ」と非難しています。しかしどんな事情があろうとも、これは塩事業センタ-の負けですまさか国が使用していたキャッチフレ-ズを同業者が虎視眈々と狙い、勝手に商標登録されるとは、思いもしなかったわけです

   本来ならばこのキャッチフレ-ズは国の財産とも言えますので、海からの贈り物は塩事業センタ-が引き継ぐべきものです。法的には沖縄の再製天日塩メ-カ-が正しいかもしれませんが、道義的には許されない行為でしょう。このように専売末期の塩の製造・販売の世界は商売道徳が欠落した業者がうじゃうじゃいたのです