7 自然塩信仰のススメ

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    今幼児教育の大切さが叫ばれており教育次第で子供は大きく変わると言われています
    その端的な例として中国や韓国の反日感情でしょう。この反日感情は小さいときからの反日教育の積み重ねで、何か事あるごとに民衆の不満は日本批判へと矛先が向けられて、大規模な反日デモなどへとエスカレートしてゆきます

    昨今、日本の先生の授業力や生徒指導力のレベル低下が指摘されるために、先生たちの授業力や指導力をUPさせるためのTOSSという団体があります。夏休み、冬休み、春休みになると熱心な先生たちがたくさん日本各地にあるTOSSの会場に集まるのです
   彼らは授業、生徒指導のプロすなわち達人になるために、他人の授業から授業法などを盗み、学び、それらを身につけて磨きをかけ、そして実際に授業を行います。授業を他の人に評価してもらうことで向上心に火をつけて、授業力などをさらにUPさせる方法のようです
   大変素晴らしいことですので、ケチをつけるつもりはありません。でもこのTOSSのホームページのコンテンツの一つに、大変気になったものがありましたので取り上げてみました

   大阪府のある小学校のあるクラスで、体育の授業時間に塩についての調べ学習をした結果を、ホームページに公開していました。その内容を簡単に読者の皆さんにお話しましょう。(現在は削除された)
  この調べ学習は先生の助言と指導の下で、全日空の「翼の王国」や日航の機内誌で取り上げられた沖縄のある塩と化学塩である食塩をいろいろな角度からの比較対照したものです
   「塩はどんなものに使われているか」からはじまり、「塩を摂りすぎるとどんな病気になるか」などを問うわけです。さらに先生は生徒に「血圧の高い老人が医者に減塩を勧められ、減塩食を毎日食べていたが効果が無かった。更に悪化したため、どうせ死ぬなら不味い減塩食をやめ、塩量を元に戻して食事を続けた。さてこの老人はどうなったか」
  そして「ある老人が呆けてしまい、食べても、食べても、物を食べるので、家族は困り果てて、食べ物を隠したが塩だけ隠すのを忘れた。このボケ老人は塩を毎日おやつ代わりになめ続けた。さてこの老人はどうなったか」と生徒にこの二の質問をしたのです
    この解答ですが、最初の質問の答えは「老人は元気になった」、二つめの質問の老人は「呆けが治った」と先生は答えています

   先生は「塩には自然の中で作られた自然塩と、工場で作られた化学塩(食塩)がある。自然塩にはマグネシウムカリウムカルシウムが含まれているので体調を整えるためには絶対必要である。また摂取しすぎても、身体の中でうまく働いて排出されるので問題がない。医者がよく塩を減らせと言うのは工場で作られた化学塩のことで、摂らないようにすべきである。しかし自然塩はしっかりと摂るのが正しい考え方」と説明しています
    さらに自然塩の中にもいろいろあり伯方の塩赤穂の天塩岩塩から作られていると、ビックリする説明もありました
   そして化学塩(食塩) とこの沖縄の塩を生徒に配り、先生は化学塩は身体に害があるので、出来るだけ摂らないようにしなければなりません。摂らないために家の人と相談をしましょう」と話を結んでいます

   このホームページを制作された先生はきっと、自然塩メーカーの宣伝や自然塩学者の御本などに惑わされたのでしょう。塩は本来調味料として考えるべきなのに、ミネラルに固執しすぎたようです。塩からは主にナトリウム塩素しか摂取出来ないのに、まるで塩から全てのミネラルを摂取出来るかのように、そして塩を妙薬としてボケを治療したり、高血圧を改善したりする効果があると勘違いされているようです
   でもそれだけではありません、理科の教科書や百科辞典にも「塩は無色だが、白く見える」と記載されているのに、黒っぽい色が本来の色だと断定しているのです(愛媛のTOSSのホームページの他の先生も同様な考え方がある)


   しかし内容があまりにも一般的な常識と懸け離れており、どこからこのような情報を入手したのでしょうか。教科書メーカーの明治図書引用とありますので、明治図書に三度ほど資料を請求したところ、担当者に伝えると言いながら未だに連絡がありませんでした
    このような自然塩を摂取することで、高血圧が治癒した話やボケが治った神懸かり的な話は、一部の自然塩擁護の学者の本や自然塩業者のホームページなどでよく見かけたものです
    もしこれが事実ならば、日本にはボケ患者や高血圧の患者がいなくなり、世界的な日本の塩ブームになるでしょう。WHOなども日本のいわゆる自然塩の摂取を大いに勧めるでしょう

  また大変気になったのは、このホームページの根幹となる表3-22が出鱈目で、この沖縄の塩がとてもミネラル豊富な塩には見えません。そして伯方の塩や天塩は岩塩ではな再製天日塩です
   しかし教育術なる言葉を掲げてホームページを公開するならば、教材の吟味を充分しなければなりません。通り一遍の調べ方をしたのでは批判が必ず出ますし、科学的根拠に基づいた主張が大変大切です。ミーハー相手の雑談なら本当の話なのかどうか、分らなくても何も問題がありません。でも将来日本を担う子供達にこのようなお粗末な内容はいかがのものかと思った次第です

    さてTOSSのホームページには食育なる項目があり、白米批判、白砂糖批判、食塩批判、添加物批判などが多数ありますきっと情報の入手先は、業者や特定の団体などからでしょう、でもその情報が全て正しいとは限りません
   特に塩や食品添加物の情報などの多くは科学的根拠に乏しく、マスコミに登場する学者の話でさえあてになりません。もちろん塩やにがりや食品添加物などに関する本の多くは、事実に反する記述も多く記載されています

   このホームページの塩のミネラルの様に、食品に含まれるある成分の有効性や有害性を、その含有量や摂取頻度、摂取量を無視して、健康や病気へ与える影響を過大に信じたり、評価したりすることをフードファディズムと呼びます
   表を見てもわかりますように、毎日僅か1.2gのこの沖縄の自然塩摂取で、ボケや高血圧が改善するほどミネラル摂取が出来るのでしょうか。そもそもミネラルに生活習慣病を予防したり治癒したりする力が本当にあるのでしょうか
    TOSSの先生達の一部はマスコミなどが垂れ流すフードファディズムに惑わされ、誤った教育術を広めているようです
   でもこのような間違った情報でも学校の先生から発すれば、真実味を帯びて生徒はおろか父兄にまで影響を及ぼすのです