1化学調味料とうま味調味料

   最近スーパーの棚でよく見かけるのが「化学調味料不使用」の食品です。これらの食品にはグルタミン酸Naなどの化学調味料が使われていませんので、パッケージの原材料欄には調味料(アミノ酸)調味料(核酸)などは記載されていません
    ですから多くの人は化学調味料不使用とありますと、昆布(昆布エキス)鰹節(かつお節粉末)、じゃこ椎茸貝(貝エキス)などの天然素材だけで出汁をとっていると思いがちです

   たしかに中には食品表示にそれらしか記載してない食品もあります。でも多くの食品は昆布(昆布エキス)、鰹節(かつお節粉末)、椎茸などの風味原料と一緒に酵母エキスたん白加水分解物などが記載されています
   この酵母エキスたん白加水分解物は最近加工食品によく使われるようになり、食品に旨味やコクを付けるために使います。それ自身を飲んだり食べたりして、味わうこともありませんし、製造方法も酵母、たん白質酵素などで加水分解しますので、食品添加物に近い食品と思われます

   さて化学調味料の代表的なものとしてグルタミン酸Na(ナトリウム)がありますが、人に対しての害があると批判する人が多くいます。しかしグルタミン非必須アミノ酸で私たちの体内でも合成されるものです。体内で合成される栄養分ですので、摂取限度さえ注意すれば何も安全性には問題がありません
   そのままでは味が弱く、使い難いためにグルタミン酸Naにしてやります。JECFAや世界の大学そして研究所などは、グルタミン酸Na食酢と同じくらい安全性があるので「特定しない」と評価しています。摂取しても安全であると評価されてもグルタミン酸Naなどの化学調味料は私たちに嫌われる傾向にあるために、食品メーカーにも敬遠されがちです。ところが私たち団塊の世代とグルタミン酸Naなどとは大変深い関わりがあったのです

   私たち団塊世代の子供の頃グルタミン酸Naを食べると(摂取すると)頭がよくなるとか、料理に使うと味をよくすると言われていました。またテレビなどではグルタミン酸Naが主成分の味の素、旭味、いの一番、フレーブのCMが大量に流れていたものです。その影響もありほとんどの家庭には味の素などの小瓶が置かれており、子供のためにまた料理の味の向上のために大量に家庭でも使われていたのです

    この時代にはファミレスなどはありませんでしたが、街には食堂があちこちにありました。当時私がよく利用した食堂では、店の親父が常連の私に「サービス」と言っては漬物などが真っ白になるまで化学調味料を振りかけてくれたものです。流れは科学(化学)万能の時代でしたので、私たちの世代は称讃の意味を込めて化学調味料と呼んでいたのです

   グルタミン酸Naは当初は小麦加水分解などして製造していましたが、コスト削減のために石油由来成分による合成法に一部転換したために家庭では嫌われるようになってしまいました。現在はサトウキビ糖蜜などを原料にして、微生物を利用する発酵法で製造されており、より自然に近い製法になり「うまみ調味料」と呼ぶようになりました   

   さて次回は多くの食品メ-カ-が使用しているたん白加水分解物酵母エキスについてお話しましょう