第三章 私の名前は化学塩 311

第一節 食塩タタキ

塩と言えばミネラルを想像される読者も多いと思いますが、塩ほどミネラルが強調される食品は他にありません。「イオン交換膜を利用した食塩はミネラルが欠落しており、健康を害している」と私達に説く学者や医学者も少なくありませんでした。日本の流下式塩田の廃止後、塩の世界はイオン交換膜塩である食塩と自然塩との戦いでした。特に専売公社(JT)対天塩や海の精(自然食、治療食、長寿食などの実践団体の日本CIが前身)また伯方の塩との戦いでもあったのです。その戦いは塩に含まれるミネラル戦争の様でもありました
  ここからは暫く戦いを仕掛けた自然塩擁護の諸先生の考えを聞いてもらいましょう


 日本CIの別働隊である食用塩調査会の元会長であった、医学博士牛尾盛保氏は「塩・自然塩と化学塩」(鷹書房)の誌上で、「自然塩とイオン塩(食塩)使って、海水と同じ程度の濃さの塩水(3%の塩水)を作り、それにアサリを入れて観察する実験」を私達に紹介していました
  「自然塩の塩水ではアサリは砂を出して大変活発であるが、イオン塩の塩水では動きが鈍い」と自然塩の良さを訴えたのです。また「弱った金魚に、自然塩を水に少量入れてやると金魚は元気になるが、化学塩
(食塩)を少量入れても元気にならなく、金魚は死んでしまう」とも言います

  これらの実験などより「生物にとって、自然塩と化学塩とはかくも違うことを表している。
塩の塩化ナトリウム純度(塩の中の塩化ナトリウムの割合)99.5%もある化学塩は、人間にも害を及ぼす疑いがある」と結論付けたのでした。それらを踏まえた結果なのでしょう
  自著の副題に「クスリとドク」とつけ「自然塩は薬、ミネラルが欠落した化学塩(食塩)は毒」と「食塩」を毒物扱いして私達に警告を与えていました


  この食用塩調査会が発展・解消して出来た日本食用塩研究会の初代理事長に大阪府立大学名誉教授であった武者宗一郎氏が就任しした

 先生は「イオン塩(食塩)」はミネラルバランスを大きく崩したことは事実で、空気、水についで欠かせぬ塩の変化で、人体に害が出ない保障はない」と断言され、「イオン塩(食塩)摂取は人体に何らかの害が出るので、摂取することは危険だ」と警告しました
  自著の「自然塩健康法」では「お釈迦様が申された通り、全てこの世は不垢不浄なのである」と述べ、塩でも、不純でもない、純粋でもない自然塩が大自然の摂理すなわち法則にあっていると、般若心教の「不垢不浄」を引用して自然塩の良さを私達に広めようとしたのでした

  また科学者としての先生は「食塩は塩化ナトリウム純度(塩の中の塩化ナトリウム
の割合)99.5%もあるので、分析化学用の純試薬で純粋過ぎる」と言い、「でも自然塩の純度は88%前後で、不純でも無く純粋でもない」と学生に諭すように説明されています
  そして自然塩の味の良さを示すためなのでしょう、「純粋な蒸留水より、不純物を少し含んでいる水の方が旨い」と水を例に挙げたのです。すなわち純粋な物よりいろいろな物が混ざっていた方が自然で、ミネラルが振り払われた食塩より自然塩の方がより自然で、美味しいと評価したのでした。でもまさか塩の話に、お釈迦様の説法が使われるとは思ってもいませんでした

日本CI・・・日本CI協会は世界的な有名人であった桜沢如一氏によって、設立されたマクロビオティック普及団体です。食事による健康維持、体質改善、治病などを目的としており、食事は穀菜主義で身土不二を大切に考え、一物体主義で、そして食べ物の陰陽を考えて調理します。つい最近まで果物や牛、豚、鶏、卵などの動物性食品、添加物、化学調味料などを使った食品は摂らない、使わないなどを原則としていた

不垢不浄・・・般若心経の中にある言葉で「汚れているものでもなければ、清らかなものでもない」
 

   また日本食用塩研究会の顧問で、塩に関する書物を数冊出版されている医学博士平島裕正氏は「日本人の健康と塩」(三晃書房)で「塩の精製のされすぎは好ましくないが、ニガリ分が多いと胃に負担がかかり、まずくて潮解性も強い」と昔の塩の欠点を挙げています。そして精製塩(食塩)は「潮解して、べとつくことがない」とサラサラしていて使い易いと食塩を褒めています

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