第三章 私の名前は化学塩 313

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 なぜ日本食用塩研究会が中心となって自然塩運動を引っ張り、専売公社(JT)と激しい戦をしたのでしょう
  一般人の私たちから見れば、たかが塩なのに「生命維持に関る基本食料の選択の自由を奪うのは、
基本的人権の侵害だ」とか「塩田塩を選べるようにして欲しい」とまで訴えることは大変奇異に写ります。それほどまでにして自然塩に固執されるのか不思議に思う人も多いようです、その事について考えてみましょう

 第一に考えられるのが、彼らは日本独自のベジタリアン(マクロビオティック信奉者)だからです。中嶋氏などは自分の食生活について「肉片を二十年以上も食べたこともなく、ほとんどが野菜と玄米で、まれに白身の魚や小魚、鰯、あるいは秋刀魚などを少量口にする」と自著に書かれています
  彼らは健康維持、長寿、病気治療、体質改善のために摂取できる食品が厳しく制限されています。そのためには使用出来る食品から無駄なく、いろいろな栄養素を摂らなければならなかったわけです
  あまり含まれていない塩の微量ミネラルでさえ、ミネラル摂取源として必要いや貴重だったわけでしょう。それを振り払った、すなわち精製することは生命維持にも影響するとも考えることもできます。食塩よりミネラル分が少しでも多く含まれた自然塩は、彼らにとって「いのちの塩」と形容することが出来たようです

ベジタリアン・菜食主義者の意味でインド人に多く、動物性食品を避け、穀物、豆類、種実類、野菜、果物、乳製品を食べる

    第二は、当時の彼らの食事を推測しますと、ゴマ塩をふりかけた玄米、具が海藻、豆腐、油揚げの味噌汁、沢庵漬け、そして身土不二を大切にした数々の旬の野菜料理、ゴマ豆腐、鉄火味噌などで典型的な日本食です
  玄米と野菜食が中心の食事のために、カリウム摂取が多くなりがちになります。
(3-1参照) ナトリウムとカリウムのバランスを取るために、ナトリウム分をゴマ塩や味噌汁や沢庵や野菜の煮付けの醤油、鉄火味噌などで摂取することを心がけていたと思えます
  すなわち塩を摂取しなければならないのなら、 同じ摂るなら前述と同じで健康を維持するためにも塩のミネラルが必要となり、ミネラル分が少ない食塩は天敵だったわけです

身土不二・・地元食材を食べることがその人の健康に良い影響を及ぼす

 

第三は、彼らの食品を摂取するための基準は一物全体主義、すなわち野菜ならば根、茎、葉など全体を摂取することがとても大切なことです。大根ならば葉もまた大根そのものも、また皮も食べることを意味しています
  この原則から考えれば、海水をそのままにした塩が一物全体主義に合っています。しかし食塩は使いやすくするために、わざとニガリ分をすなわちミネラルを振り払って乾燥させています。これは一物全体主義に反しますので、一物全体主義に近い塩田塩を残して欲しいと請願したのでしょう

 第四は、食塩、精製塩などの水分やニガリ分が少ない塩しか、販売されなかったことへの反発も大きな原因だったようです。

 しかし主義主張を貫くのは大変崇高なことで、私にはとてもまねることは出来ません。なぜならば私は食べ物に関しては美味し物なら何でも食べる快楽主義者で、ベジタリアンでもなければマクロビオティック信奉者でもないからです

一物全体主義・・食べ物の命を全体すなわち丸ごと食べる考え方。穀類なら精製をしないで、野菜なら根、茎、葉などすべて、小魚などは全体を食すこと

 
 でも私は「体質改善のためには、玄米食を食べると効果がある」ことを知っています。私の知人の御夫婦は六年あまり子宝に恵まれず、ある産婦人科医から体質改善を勧められました。医者は生きた玄米を主食にして、肉はほどほどに、野菜や海藻などはタップリ摂る、そして小魚を食べる日本の昔風の食事を勧めたのです
  彼らは子供ほしさのために玄米食などを実践、その結果半年後には奥様は見事に妊娠したのです。その話を聞いた別の人が同じ産婦人科の門を叩き、同様に玄米食などを実践して妊娠、私の義理の妹夫婦などは白米を玄米食に変えただけで、直ぐに妊娠した例もあります

 

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