第三章 私の名前は化学塩 322

 しかし御自分のお子様のテスト結果で考えてみてください。子供が学校でテストを受け、その結果をもらってきたとき(もちろん100点満点)95点も99点でも、親や先生としての評価は「よく頑張った。あと少しで100点だったのに」と評価します
  このような考え方をすれば、塩の
NaCl純度は下は0%から上は100%で考えますので95%も99%も大差がないはずです

今度は市販の塩のNaCl純度(乾物基準)を見てみましょう。「市販の食塩の品質Ⅱ」や「市販食用塩データブック」などにある133点のNaCl純度を乾物基準に直したものが表3-3です
  この表を考察しますと、市販されている塩の三分の一の製品が塩化ナトリウム純度
99%以上で、98%以上まで範囲を広げますと半分にも及ぶのです。食塩だけが高純度塩でなく、市場にはミネラルの欠落した高純度塩のオンパレードだったのです
  さて表
3-3を更に細かくみてみますと食塩、イオン交換膜塩、再製天日塩、輸入塩などは全般的にNaCl純度が高く、それらと比べると「いわゆる自然塩」はNaCl
純度が少し低めです。でも「噴霧製塩」にはまったく及びません

  噴霧製塩の
NaCl純度は大変低くて、乾物基準でも70%台の製品もあり、平均でも約81%しかありません。噴霧製塩のミネラル量からみれば「いわゆる自然塩」のミネラル量などは問題外なのです。「いわゆる自然塩」と「食塩」とのミネラル戦争はミネラルが少ない物同士の戦争で、「目糞は鼻糞を笑う」の例えと噴霧製塩から馬鹿にされそうです

  医学評論家の医学博士高橋晄正氏は「自然食は安全か」(農文協)で「ニガリをミネラル信仰と結びつける人がいるが、天日塩で摂取できるマグネシウムは5mg前後なので、塩のニガリから摂るより、食品から摂るほうが賢明である」と書かれています

 

  北海道薬科大学学長の伊藤敬一医学博士は「食塩と健康の科学」(講談社)で「自然塩純粋な食塩(塩化ナトリウム)と比べて、本当に健康によいだろうか」と私たちに問いかけています
  また「塩あなたは未だ不安ですか」
(農文協)の共同執筆者である医学博士島田彰夫宮崎大学名誉教授は「海水から作られた塩である海塩を支持する人は、最初の生命は海から生まれ、人の体液が海水に近いものであることなどを説明している
  でも成分面だけで考えると、一日
10gを少し超える程度の海塩から入る塩化ナトリウム以外の成分が、他の食物からの摂取で補えないとは考えられない」と著書に書かれており、前述の日本食用塩の諸先生たちの塩の考え方とはまるっきり違うものです

自然塩信仰・・・ミネラル信仰と同じような意味で、塩のミネラルを過大に評価しており、「自然塩は海水の組成に似ており、ミネラルが豊富に含まれ、それらが私たちの身体に良い影響を与えている。しかし政府が押しつけた「食塩」や「並塩」はミネラルが欠落しているために、日本人の多くは生活習慣病などでパタパタ倒れている」と信じている人達の考え

食物のうんちくについてうるさい日本子孫基金は「食べるな危険」(講談社)で「イオン交換膜利用の塩は、ミネラル分までが取り除かれた塩化ナトリウム99%以上の工業生産物」と断定しています。さらに「海水を煮詰めてつくる塩なら(いわゆる自然塩のこと)塩化ナトリウムは85%しかなく、残りはその他ミネラルである。これら微量ミネラルは味を左右するだけでなく、微量元素とも呼ばれて生命維持に必要なものである」と得意気に解説しています
  でも本来得意とする添加物や食品中の環境汚染物質、重金属などの批判でなく、なれない塩のミネラルの欠落批判ですので、勉強不足のため数字が出鱈目で墓穴掘ってしまったようです
(3-3参照)

   さて自然塩擁護の最右翼が真島真平医学博士で、長期間にわたり食塩すなわち化学塩批判をされている方です。本業はお医者様ですが「真島エキス」と呼ばれるニガリエキスの製造会社の実質的な経営者でもあります
  先生の御本は化学塩
(食塩)批判とニガリ効果の実例が主の内容で、歯に衣を着せぬ論調に人気があり、私もフアンの一人です

 

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