第三章 私の名前は化学塩 352


理由としては「海水の成分が血液の成分と極めて類似しているからだ」と説明しています
武者博士は「血液中の血清や羊水と海水のミネラルバランスが似ている」と、また真島博士は「人間を頂点とする生命体は海の中で数十億年も生きており、海は人間の故郷であり母である
そして海水成分と血漿の成分が愕くほど似ている。人間の体は超小型の海と言うことが出来る」と述べています
でも同じ自然塩擁護派の八藤眞氏は「多くの人が『人の体液や血液そして羊水が、すべて海水と同じ組成をもつ』と言うがこれは間違いで、大きな違いがある」と真島氏や武者氏などとは違う意見を述べています

日本調理科学会の「市販の食塩の品質Ⅱ」などを利用して表3-7~表3-10そして表3-11、表3-12を作りました
これらの表から考察しますと、ニガリ分を多く含む自然塩ほど海水の組成に似てくるようです
しかしミネラルバランス比などを見てみますと、海水と血漿は全く似ていません。更に自然塩と血漿などを比較しても、全く似ていないのです
この理由は海水にはマグネシウムが多く含まれていますが、血漿や羊水にはあまり含まれていないからでしょう
いくら生物が海から生まれたとしても、陸上に住むようになれば、それに適した様に進化していったはずです。陸上に住みはじめたころの生物の血漿などは、海水に似ていたと思われます
しかし長い期間をかけて進化するにつれて徐々に変わり、全く違うものとなったのではないでしょうか。ですので自然塩を水で溶いても、海水に近い物は出来ますが、血漿や羊水にはならないのです
そもそも海水の組成にちかい自然塩が、私達の身体に良いと言う化学的なデーターなどは存在しないのです