第三章 私の名前は化学塩 361

第六節 生活習慣病の原因は「食塩」それとも「自然塩」

諸先生達は御自分の御本で塩のミネラルについて熱く語っておられます

   自然塩派の医者や学者たちは「塩に含まれているミネラルは大切な物」と捉え、「海にはあらゆるミネラルが含まれている。それらが満遍なく含まれたのが自然塩で、私たちには必要だ」と訴えています
  中には「生物は海から生まれたのだから、海はあらゆるミネラルを含んだ生命のスープである」と海をスープと形容して、「そのスープから作った自然塩が、私たちの身体に一番合っている」と自然塩を勧める学者もいるのです
  また「精製塩
(食塩)のミネラルの欠落は、今は身体に何も影響がなくても、将来は必ず影響が出てくる」と私たちを脅す医学者もお見えになりました


 一方イオン交換膜派の学者や、自然塩団体とは無関係の学者や医学者などは「ほとんどの自然塩のミネラル量は食塩とあまり変わらない」とか「家庭での一人一日当たりの摂取量が1.1g前後の塩からのミネラル摂取は無理で、塩のミネラル論議は取るに足らない論議」とまで言い切る学者も少なくありません
  中には「塩は塩素とナトリウムを摂取すべきものだ」と断言する学者もお見えなります。多くは科学的根拠を重んじた内容で、あまり強烈な自然塩批判はありません。


  自然塩を支持する先生やその本はカルシウム、マグネシウム、カリウムの有用性の話で終始して、塩にしか含まれていないナトリウムや塩素の大切な役割の話はいつも置き去りにされるか、ナトリウムの悪い面ばかりが誇張されて非難されます
  ナトリウムや塩素は私たちの身体を維持するためには必要欠くべかざるもので、塩にしか含まれていなく、おまけに大量に摂取する必要があるミネラルなのです
  本来野菜などから摂るべきミネラルが「あたかも塩に豊富に含まれており、私たちの身体に大きな影響を与えている」と平気で話される学者も少なくありません

ナトリウム・・・ナトリウムは細胞の浸透圧維持に必要で、また人間の血液が酸性にならないように(酸性になると死に至る)pH調整などをする

塩素・・・塩素は細胞の浸透圧維持に必要で、血液や胃液の成分でもあり、殺菌効果もある

 

 

*図をクリックすると拡大します
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てこの「食塩タタキ」をマスコミはどのような態度を取ったのでしょうか

 塩の自由化が始まった直後に発売された「月刊現代」に「検証 『精製塩(食塩)』が、ガン・生活習慣病の元凶だった」という題でジャーナリストの志村岳氏が寄稿されています
  栄養学者と医学者たちの話と独自の取材を根拠に「精製塩が、すなわち食塩が生活習慣病の原因だった」と糾弾しているのです

 
回のこの批判に対して食塩の販売元の塩事業センターは珍しく反論を試みました(JT時代までは何を言われてもほとんど反応しませんでした)
 講談社に記事の訂正と「月間現代」誌での反論する機会を、すなわち誌上で「精製塩がガン・生活習慣病の元凶」についての真偽の討論会を行いたいと、講談社に要望書を提出したのです
  講談社は簡単に
OKのサインを出しましたが、すぐにその企画をキャンセルしたのでした


 さてこの本の中で、食塩批判の先鋒者の栄養学者の八藤眞博士は「必須ミネラルの欠乏した精製塩が家庭用や業務用に使われたために、日本人の免疫力が低下した。その結果微生物によって起きる病気である感染症や、生活習慣病に罹患しやすくなった」と、食塩などが生活習慣病などの元凶だったと指摘しています
  その根拠として
70年代の死亡原因の第一位は脳卒中だったのが、イオン交換膜製塩に変わった10年後には、ガンが死亡原因の第一位になった事をあげています(グラフ①参照)

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