第三章 私の名前は化学塩 362

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   また志村氏は「日本古来の塩田で作られた塩も、市場に出回っているミネラル塩である自然塩も、塩化ナトリウム純度が約90%でミネラル分は10%近く含まれている

   「食塩(精製塩)の塩化ナトリウム純度(Nacl純度)99.6%でミネラル分が欠落している」と指摘しています

  彼は必須ミネラルのカルシウムを例としてあげ、自然塩を
10g摂取すれば一日の必要量(所要量)の四分の一のカルシウムが摂取出来る
  しかし食塩にはほとんど含まれていないし、他のミネラルもほとんど無く、セレニウムすなわちセレン、モリブデン、マンガンなどの必須微量ミネラルは含まれていない」と述べています

  このことについて医学博士河木成一氏は「セレニウムが不足するとガンを発生しやすい体質になり、またモリブデンが不足すると痛風などの病気を引き起こす。高血圧の原因は塩の過剰摂取だと言われるが、それは間違いでイオン交換膜法による精製塩が原因である」と断定していました


   また前に登場した医学博士真島真平氏は「月刊現代」で「昭和40年代後半から、自分の経営する病院にガン、糖尿病、高血圧などの生活習慣病、花粉症、アトピー性皮膚炎、喘息などのアレルギー患者などが増えた。何が原因かを突き止めたらイオン交換膜法によって作られた、白いさらさらした精製塩である『食塩』が全国に普及すると共に、先ほどの生活習慣病などが増加した」と述べています
  そして志村氏は「このような精製塩と共に育った
40代、50代の日本人が生活習慣病の餌食となり、次々と倒れ深刻な事態が予想される」と結んでいます

  しかしこの「月刊現代」の内容について、ソルト・サイエンスの専務理事であった橋本壽夫氏は「たばこ塩産業新聞」で次のように反論しています。「ガンの死亡者数が増え第一位になったのは事実だが、ガンをすべての数値で見ているからである」と資料の読み違いを指摘しています

 

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    また「カルシウムであれば何でも良いのでなく、栄養はどのような形で体内へ吸収されるかが大切である
  流下式塩田の前の入浜塩田でさえ、カルシウムは
10g所要量の十六分の一しか含まれていなかった」と述べています
  そして「どうしてもカルシウムを所要量の四分の一摂りたいなら、体内に吸収出来る形で存在する、
(カルシウムイオンCa2+のこと)10gに相当する海水を400ml飲めばよい」と言い放ち、さらに「家庭用で使用する塩は1.1g前後であるのに、到底間違ってもミネラルは摂取出来ない
 『月刊現代』の数字は出鱈目である」と怒り気味の論調で書かれていました


   さて志村氏は「月刊現代」で「市販の塩はNaCl純度が約90%で、ミネラル分は10%近く含まれている」「自然塩を10g摂取すれば一日の必要量(所要量)の四分の一のカルシウムが摂取出来る」と自信たっぷりにお話しされています。これらが事実ならばよいのですが・・・これらについて検証してみましょう

   まずは表3-15を見ていただきましょう。この表は日本調理科学会の「市販の食塩の品質Ⅱ」の135点の製品を製法別に分けて、乾式NaCl純度に直したり、各ミネラルの平均などを出したりして加工しなおしたものです

   NaCl純度(湿量基準)の全商品平均を見てみますと、93.1%ですのでミネラル分は多くても6.9%・・。志村氏の数値と大きく違いますが・・・
  切り上げして、眼を瞑ってやっと
NaCl純度90%、ミネラル分10%といえるかもしれません

  しかし前述しましたようにこの6.9%の大半が水分ですからミネラル分とは言えません
  実際のミネラル分は
100から乾式NaClをひいた物ですので、2.73%以下ですので10%には到底及びません(不溶解分、硫酸カルシウムを含む)

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