第三章 私の名前は化学塩 363

 カルシウムについては表3-13を見ていただきましょう
 カルシウムの全製品の平均量は
18.5mg(一日の所要量の3)ですので、四分の一の150mgには全く及びません。ちなみにミネラルが多いと言われるいわゆる自然塩を見てみますと、平均は42.1mg(一日の所要量の7)ですが、中には115mg(一日の所要量の19)摂取出来るものもあります
  前述したようにカルシウム分は塩の中では
CaSO4(硫酸カルシウム)CaCl2(塩化カルシウム)の形で存在しています。いわゆる自然塩にはCaSO4(硫酸カルシウム)の形でしか含まれていません。 これはギブスに使われる石膏ですので、胃では溶けませんから栄養としての意味はありません
   CaSO4(硫酸カルシウム)を除いて、すなわち栄養分としてのカルシウム分を考えますと(3-14より)全製品平均では0.01mg
しか含まれていないのです

  また志村氏は家庭用の塩量を
135万トンと説明していましたが、家庭用の塩量は20万トン前後です。だから橋本氏から『月刊現代』の数字は全て出鱈目だ」と言われたり、栄養はどのような形で体内へ吸収されるかが大切だ」と言われたりするわけです

  そして食塩には「セレニウムすなわちセレンやモリブデンやマンガンなどの必須微量ミネラルが含まれていない」と「月刊現代」で批判しています。このことについて検証してみましょう
  名古屋大学において福建省天日塩、能登塩、赤穂塩、瀬戸塩、
JT塩の五種類の塩のミネラルについての調査をしたことがあります
  福建省天日塩は太陽と風によって作られた本物の自然塩、能登塩は昔の揚浜塩田を利用して濃い海水を作り、燃料を使って水分を蒸発させた日本の伝統的な塩です
  また赤穂塩は中国産のニガリを添加した再製天日塩、瀬戸塩はイオン交換膜塩にカリウム主体のニガリを添加した塩、
JT
塩はイオン交換膜を利用した食塩のことだと思われます

  この調査結果で「これら五種類の塩にはそれぞれ三十六種類のミネラルの存在が認められている。すべて同じミネラルが含まれているのでなく、含まれるミネラルは塩ごとに一~二種類の相違がある」と
2000年の海水誌に記載されています

 

*図をクリックすると拡大します
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 自然塩擁護の大先生達やお医者さんが、ご自分の御本で「食塩には微量ミネラルがカットされている」と述べられていますが、それとは違う結果が出たわけです
  食塩にも微量ミネラルが含まれていることが証明されたわけです
   
ギネスには世界一ミネラル数の多い塩として、沖縄のヌチマース(二十一種類)が認定されています
 しかし実際のミネラル数世界一は食塩、福建省天日塩、天塩、能登の揚げ浜塩田、瀬戸のほん塩だったのです(海水誌名古屋大学)

 しかしセレンは海水には微量にしか含まれていませんので(表3-16参照)、指摘の通り食塩には含まれていませんでした(ただしモリブデンやマンガンは含まれている)
  念のためにギネスが「ミネラル数世界一の塩」と登録した塩にもセレンは含まれていません(最近は分析技術が向上したために、セレンが検出される可能性もある)


    食塩と生活習慣病との因果関係ついて、NTVの人気番組「おもいっきりテレビ」の特番の「塩の上手な摂り方」で放送されたことがあります
  この番組の中でみのもんた氏はフリップを使って「イオン交換膜を利用した塩によって、心疾患、糖尿病、脳梗塞などによる死亡者が、この三十年間増加している」と説明しています
  同様に先程の「月刊現代」の記事で真島氏らは「
昭和40年代後半から、自分の経営する病院に癌、糖尿病の患者が増え始めた。白いさらさらした精製塩の食塩が全国に普及すると共に先程の生活習慣病などが増加した 」と非難しています
  さてこれらを検証してみましょう

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