第三章 私の名前は化学塩 392

さらに自然塩の中にもいろいろあり伯方の塩や赤穂の天塩は岩塩から作られていると、ビックリする説明もありました
  そして精製塩
(食塩)とこの沖縄の塩を生徒に配り、先生は「化学塩は身体に害があるので、出来るだけ摂らないようにしなければなりません。摂らないために家の人と相談をしましょう」と話を結んでいます

(明治図書の「楽しい体育5月号「正しい塩の摂り方」(1999年) より引用、また関西フレッシュセミナー大阪 「塩の授業」引用

  このホームページを制作された先生はきっと、自然塩メーカーの宣伝や自然塩学者の御本などに惑わされたのでしょう
  塩は本来調味料として考えるべきなのに、ミネラルに固執しすぎたようです。塩からは主にナトリウムや塩素しか摂取出来ないのに、まるで塩から全てのミネラルが摂取出来るかのように、そして塩を妙薬としてボケを治療したり、高血圧を改善したりする効果があると勘違いされているようです

  でもそれだけではありません、理科の教科書や百科辞典にも「塩は無色だが、白く見える」と記載されているのに、黒っぽい色が塩本来の色だと断定しているのです
(愛媛のTOSSのホームページの他の先生も同様な考え方がある) 


  しかし内容があまりにも一般的な常識と懸け離れており、どこからこのような情報を入手したのでしょうか
  教科書メーカーの明治図書引用とありましたので、明治図書に三度ほど資料を請求したところ、担当者に伝えると言いながら未だに連絡がありませんでした


   このような自然塩を摂取することで、高血圧が治癒した話やボケが治った神懸かり的な話は、一部の自然塩擁護の学者の本や自然塩業者のホームページなどでよく見かけたものです
  もしこれが事実ならば、日本にはボケ患者や高血圧の患者がいなくなり、世界的な日本の塩ブームになるでしょう。
WHOなども日本のいわゆる自然塩の摂取を大いに勧めるでしょう
  また大変気になったのは、このホームページの根幹となる表
3-22が出鱈目で、この沖縄の塩がとてもミネラル豊富な塩には見えません。そして伯方の塩や天塩は岩塩ではなく再製天日塩です

 

*図をクリックすると拡大します
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   しかし教育術なる言葉を掲げてホームページを公開するならば、 教材の吟味を充分しなければなりません
  通り一遍の調べ方をしたのでは批判が必ず出
ますし、科学的根拠に基づいた主張が大変大切です
  ミーハー相手の雑談なら本当の話なのかどうか、分らなくても何も問題がありません
  でも将来日本を担う子供達にこのようなお粗末な内容はいかがのものかと思った次第です

さてTOSSのホームページには食育なる項目があり、白米批判、白砂糖批判、食塩批判、添加物批判などが多数あります。きっと情報の入手先は、業者や特定の団体などからでしょう、でもその情報が全て正しいとは限りません
  特に塩や食品添加物の情報などの多くは科学的根拠に乏しく、マスコミに登場する学者の話でさえあてになりません。彼らが書いた書物  の多くも、事実に反する記述が多く記載されています


   塩のミネラルの様に、食品に含まれるある成分の有効性や有害性を、その含有量や摂取頻度、摂取量を無視して、健康や病気へ与える影響を過大に信じたり、評価したりすることをフードファディズムと呼びます
  表
3-22 (3-5 や表3-15)を見てもわかりますように、毎日僅か1.1g
のこの沖縄の自然塩摂取で、ボケや高血圧が改善するほどミネラル摂取が出来るのでしょうか
  そもそも塩に含まれるわずかなミネラルに生活習慣病を予防したり治癒したりする力が本当にあるのでしょうか

  TOSSの先生達の一部はマスコミなどが垂れ流すフードファディズムに侵され、誤った教育術を広めているようです
  このような間違った情報でも学校の先生から発すれば、真実味を帯びて生徒はおろか父兄にまで影響を及ぼすのです

1pg・・東京ドームに水を満たして、その中に一番小さな角砂糖1gを入れたとき、その小さな角砂糖が1pgに相当する

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