第二章 塩の作り方を知っていますか 233

*図をクリックすると拡大します
*図をクリックすると拡大します

2再製天日塩(塩田塩)

 塩田で塩を作るためには、いろいろな気候的条件や地理的条件が必要です。最適地としては高温で雨が少なく、さらに風がある程度吹いて、流れ込む川がないことが条件となります
  塩田による製塩が盛んな地域として、オーストラリアやメキシコなどがあります。特に有名な塩田が三菱商事資本であるメキシコのゲレーロ・ネグロ塩田、オーストラリアの丸紅資本であるポートヘッドランド塩田、ダンビアソルト塩田、三井物産資本であるシャークベイ塩田などがあります

  主にソーダ工業用の原料として最盛期には年間約
900万トン(現在は800万トン)以上を日本へ輸出していました。そのうちの約1%未満が食用のすなわち再製天日塩などの原料として使われるのです


 この塩田の仕組みは海岸に大から小の多数の池を並べ、最初の池に海水を導入して泥や土や浮遊物を除去します。そして海水を次々と別の池に移動させてやります。その間に太陽の熱と風の力で水分が蒸発して、本物の自然塩である天日塩が出来上がるのです
  普通メキシコやオーストラリアでは、塩が出来るまで一年以上もの歳月が必要となります。出来上がった天日塩を採塩しますが、塩の表面などには良質でないニガリや石膏分、そしてホコリ、チリ、砂、泥、微生物の死骸などの不溶解分が付着しています。それらを海水や飽和海水を使って洗い落とすわけです
飽和海水・・海水に塩がそれ以上に溶けなくなった状態

 

   洗浄直後は水分が30%位ありますが、野積みして水分を落とします。数週間くらい放置しますと2%以下の水分になり、それを船にバラ積みにして日本などへ輸出するわけです

  この洗浄脱水した塩を原塩(げんえん)と呼び、これを使いやすく粉砕したものを粉砕塩といいます
  この原塩は主に工業原料に、そして漬物、醤油、水産加工用などに、粉砕塩は漬物、醤油、水産加工、道路用の凍結防止剤などに使います。粉砕塩を更に細かく粉砕してパックした家庭用の製品も見受けますが、衛生的には大変問題があります。でもほとんど手が加えてありませんから自然塩と呼んでもおかしくありません


   この原塩の表面や結晶を洗浄して、高温乾燥させて異物を除いて袋詰めしたものと、海水に溶かして異物を取り除いて精製そして立釜や平釜などで煮詰めて作り直したものがあります。前者を洗でき塩と呼んでいますが洗浄天日塩、後者を再製天日塩と呼んだ方が理解できるでしょう
  天日塩は現地や加工地で洗浄を繰り返しますので、ニガリ分が
0.2%程になるのでニガリを添加した製品もあります

バラ積・・・船や車に、塩などを容器などに入れないで積み込むこと 


  天日塩の生産地として先ほどのオーストラリア、メキシコ以外にもイタリアやフランスなどが、またアジアでは中国、インドネシア、ベトナムなどにも塩田があります
  一番品質がよいのがオーストラリア、そしてメキシコ、次にイタリアやフランスと言われています。オーストラリアやメキシコなどの天日塩は環境汚染物質や石油や農薬などの汚染の心配が少なく、イオン交換膜塩を除いた塩の中で最も品質が優れており、安全な塩だと言えます。またヨーロッパ産の天日塩なども管理が充分されているので、一部を除いて安心して使えそうです
  しかし中国産、ベトナム産、インドネシア産などの天日塩は公害、製塩環境、衛生状態そして品質などにも問題があり、あまりお勧めではありません

                                         前のページ  のペー