第二章 塩の作り方を知っていますか 236

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   このように海洋深層水はいろいろな食品の用途で期待出来るミラクル水とも言われています
  冨栄養を表層水
(普通の海水の事)と比較しますと、海洋深層水は硝酸イオン、リン酸イオン、珪酸などが多いだけで、身体のために役立つナトリウム、塩素、マグネシウム、カリウム、カルシウムなどのミネラル分は表層水と変わりません


   逆浸透膜塩の作り方を簡単に説明しましょう
  海洋深層水に
逆浸透膜  を利用しますと、脱塩淡水化した深層水と濃い塩水の二種類が出来ます。その濃い塩水を真空式蒸発缶(立釜)や平釜などで煮詰めますと塩が結晶します
  膜の性質から深層水は海水中の環境汚染物質をはじめ不純物は取り除かれます。しかし塩の原料となる濃い塩水はこの膜を通っていませんので、安全性はイオン交換膜塩よりは著しく劣ります
  海洋深層水を利用した塩(深層水塩)と普通の海水を利用した塩
(表層水塩)の成分データーなどを比較しますと、深層水塩の優位性は全くなくイメージ先行の塩と言えそうです


  そういえば深層水塩メーカーの中には、変わったキャッチフレーズもありました。「海洋深層水の水分だけを除き、ミネラル分を壊さないように低温で丁寧に作り上げた塩」とあり、ミネラル分が熱で壊れるとありますが・・・・・・

脱塩淡水化・ ・海水の中の塩を除去した水

 

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C 海水蒸発塩(燃料使用) 
 重油バーナーなどで海水を炊き上げて、そのまま煮詰めて作る塩を本書では海水蒸発塩と呼んでいます。この塩を作るためには大量の重油などの化石燃料が必要となります。なぜならば海水を塩にするためには海水の水分の90%以上を蒸発させないと塩が出来ないからです

  元ソルト・サイエンスの橋本氏は「海水を直接蒸発させて塩
1kg作るのに27000kcalが必要である。家庭の電力料金に直すと550600円以上かかる」と計算しています。このように海水蒸発塩は大量のエネルギーを使いますので「化石燃料の固まり塩」と呼んでもおかしくありません

   地球の環境を考えなくても良い時代には、この重油バーナーで海水を炊き上げた化石燃料の固まりのような贅沢な塩を使っても、罪悪感は全くありませんでした。しかし最近は「地球の温暖化を防ぐために、あなたは何が出来るか」がよく問われる時代になりました。環境学者らは「地球温暖化を防ぐためには、二酸化炭素を出来るだけ出さないエネルギーを使うことを、考えなくてはならない」と発言しています

   二酸化炭素を発生しない発電方法として、今注目を浴びているのが風力発電、ソーラー発電、そして地熱発電、潮汐発電、そしていろいろと問題がある原子力発電などです。水力発電も発電時には二酸化炭素を発生させませんが、ダムを造るときに広大な森林伐採などが必要となり環境破壊にもつながります。海水蒸発塩に二酸化炭素をあまり発生させないエネルギーを使うようになれば、大手を振って買うことが出来るのですが・・・

 ある消費者団体はこの海水蒸発塩をPBの一つとして販売していました。この消費者団体の事業活動の一環として「地球温暖化防止に向けて、取扱商品全体の環境配慮を進める」と宣言をしたことがあります。しかし環境に悪いからと言って一部組合員に絶大な人気がある海水蒸発塩を販売中止にするわけにもいかず、どのように取り扱うかを苦慮していたようです

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