第二章 塩の作り方を知っていますか 237

   その大きな理由の一つに海水蒸発塩は調理に使うと「材料をいためなく、まろやかな料理が出来る」と信じている人が多くいるからです
  塩選びは宗教と同じで良いと信じて使うようになると、他の製品には馴染めず排除する傾向にあります。販売を続けるのか、それとも停止にするのか、未だに結論が出ていないようです
(最近、前述の逆浸透膜と真空蒸発缶を使って海水のほとんどの水分を蒸発させ、最後の仕上げに平釜で煮詰めた偽の海水蒸発塩が販売されている)


   再製天日塩の雄である伯方塩業株式会社は、輸入塩の再製天日塩しか作らないと宣言をしています。その理由は「海水蒸発塩を製造するには多大なエネルギーが必要となり、地球環境を悪化させる原因になるからだ」と説明しています
  また自然健康法で世界的な権威として、多くの人に尊敬されているジャック・ド・ラングレ師は「フランスには、純粋に海水を風と太陽で蒸発させて作る本当の海塩があり、風と太陽がその海水を乾かすので、資源の節約にもなる」と述べられ、氏は地球環境と塩との関係にまで言及されているのです
朝夕発電・・潮力発電とも言い、満潮、干潮の潮差を落差として利用する発電方式


D噴霧製塩 

 噴霧製塩は今話題の製法の塩で、ビニルハウスの中で海水を噴霧器でネットなどに霧状に噴霧しながら、温風を当ててやります。高温のために海水があっという間に結晶になり、まるで雪が降ったような光景です
  この塩メーカーの社長は昔ラン栽培をしており、そのときのランに水を与える噴霧器からヒントを得た製塩方法だそうです。もう一つの噴霧製塩の方法は高温の鉄板やドラムに、海水を噴霧器で吹き付ける方法です
  噴霧製塩は海水の水分以外が全て塩になりますので、他の製法と比べるとミネラル分が大変多くなります。けれども海水が汚れていたら、その汚れが全て塩に反映される欠点もあります

 


*図をクリックすると拡大します
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 日本調理科学会の「市販食塩の品質Ⅱ」によりますと、これら噴霧製塩にはニガリ分が豊富に含まれていますので、必然的にMgKCaも多く含まれています。特にMg(マグネシウム)が大変豊富な塩で、K(カリウム)も他の製法の塩より多く含まれています(2-6参照)
  でも
Ca(カルシウム)が多く含まれていても、石膏の形で塩に含まれていますので胃では溶けなく、ほとんど身体に吸収できません

  そしてこれらの塩の中には海水にあまり存在しない微量ミネラルが大量に含まれているものもあるのです。でもそれだけではありません。驚くことに塩には存在しない炭水化物も含まれており、エネルギーまでが成分表示されているのです
  よく沖縄の塩メーカーは「沖縄の海は大変きれいで、海には栄養分が一杯含まれている」と宣伝しています。栄養分で満ち溢れているので、あり余って塩の中にまで残ってしまったのでしょう。これは冗談ですが、塩に炭水化物が含まれているとは摩訶不思議な塩です
  また塩の品質を示す不溶解分が多いのも大変気になります


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