第二章 塩の作り方を知っていますか 243

七年ほど前でしょうか、金目鯛の水銀騒動がありました。皆さんもご存じのように水銀(メチル水銀)は、四大公害病の水俣病の主な原因になった有害金属で、大変毒性が強い物質です
  メチル水銀はプランクトンなどに蓄積濃縮され、それを小魚が食べ、さらにこの小魚を別の魚が・・・そして金目鯛が捕食します。このように次々と生物濃縮されて、金目鯛の体内に高濃度に蓄積されたわけです。厚生労働省は、妊婦などに
高濃度のメチル水銀が金目鯛やマグロなどに蓄積されている恐れがあるので、摂取を控えるように呼びかけていました

  生物濃縮ではありませんが、塩も海水を濃縮します。海水は水分などが
97%もあり、それを濃縮して3%の塩分を取り出します。この塩を私達は年間約4.1kg前後摂取しているのです
  海水が石油、有害ミネラル、そして
PCB、ダイオキシンなどの化学物質などに汚染されているならば大問題です。とくにニガリは海水の汚染の影響をもろに受けます

  第二章三節で少しお話しさせていただきましたが、「市販食塩の品質Ⅱ」には、カドミウムが入った沖縄産の塩や、塩の国際規格になるだろうコーデックス食用塩規格(2-12参照)ヒ素の基準値を軽くオーバーしている藻塩やフランス産の天日塩、また銅やクロムや鉛などの微量ミネラルが大量に混入している塩が多く見つかりました(2-10参照)

   この有害金属であるヒ素について、少し前にカナダでまたイギリスでも問題視されたことがあります。これは塩に含まれているものでなく、食用のひじきに含まれているヒ素についての毒性についてです。その結果カナダでは販売禁止になり、イギリスでは摂取についての注意勧告がなされました
  日本の厚生労働省は「海藻にはヒ素が多く含まれているが、有機体ヒ素が多いのでそれほど害はない。しかしひじきに含まれているヒ素は有機体と毒性の強い無機体を含んでいるが、ひじきの摂取量から見れば問題はない」と見解を示しています 

  塩のヒ素について海水総合研究所は「藻塩の中には海藻を燃やした製品もあり、海藻を燃やすと有機体が無機体に変わるので注意が必要」との見解を示しています。しかしこのヒ素ですが、私達の身体に 微量必要だと言われています

 

*図をクリックすると拡大します
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 でも塩から無理して摂取しなくてもいろいろな食品から摂取できますので、塩には必要ない有害金属なのです

 さて塩は毎日摂取するものですから、本来ミネラル論議より安全論議の方が優先すべきです。お隣韓国も日本と同様に塩の専売制を永く布いていました。専売制の頃の塩の所轄官庁は日本と同じ財務省でしたが、廃止と共に通産省に、塩の自由化前には厚生省が塩を管轄していました。そして現在は食品医薬品安全庁が管理しています
  日本の場合は、専売廃止前も廃止後も財務省が塩の管理をしています


   日本において塩の専売制を廃止して自由化するにあたり、財務省、JT、学識経験者、塩業関係者などが会を重ねて議論して、塩の製造・加工・流通・販売・輸入などに関しての法である塩事業法を制定するために努力されました
  でもこの塩事業法は消費者保護の点で問題があると言われています。思うに肝心要の塩の規格を決めなかったために、私達の安全・安心が脅かされている点だと思われます。しかし、お隣韓国では食品医薬品安全庁が消費者のために活躍しており、塩を管理するための法律も整備されています。


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