第二章 塩の作り方を知っていますか 245

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 しかし年に一度の子供の楽しみを奪うことは出来ないとの理由で、焼き芋行事は許可されました。また世界的な観光資源で宗教的な意味あいもある大文字焼きをなくすのも、問題があるとのことで現在も続けられています

 このダイオキシンの動物への影響をあげるとすると、北ヨーロッパのアザラシの大量死でしょう。二十年程前にバルト海で二万頭近くが、十年前には北海で二万頭以上のアザラシが死亡した新聞記事を覚えている方も多いと思います
  このとき死んだアザラシを解剖してみますと、ダイオキシンやPCBなどが体内に大量に蓄積していたのです。「それらの化学物質の蓄積がアザラシの免疫力の低下を招いた」と医学者たちは指摘しています。免疫力低下のために犬がよく罹るジステンパーウィルスにアザラシは簡単に犯されて、大量死に繋がったようです。そして発病して僅か二週間以内でアザラシは死んだのでした

免疫力・・、微生物の感染によって起きる病気に対しての抵抗力 

 西ヨーロッパの国々は日本と比べますと、環境に関しては大変厳しい法律を早くから定めて環境保護に取り組んできました。またグリンピースなどの民間の環境保護団体の活動も活発で、環境を常に厳しくチェックしています。このアザラシの大量死は世界の海の汚染が確実に進んでいることを示す例ともなったのです

 しかし日本では「ダイオキシンは言われるほど猛毒ではない」とか「環境ホルモンは空騒ぎ」とか「ダイオキシンは怖くない」とか「研究費欲しさのダイオキシン猛毒説」とか、「毒物説などは科学的根拠に乏しい」と批判して、ダイオキシン低毒説を唱えている学者も少なくありません

 

   これにたいして「『ダイオキシンは有害でない』とか、『環境ホルモンは空騒ぎ』などの主張には、科学的根拠がはっきりとしていない」と言い「ダイオキシンは低量で、次世代の子供の生殖器や内分泌機能、免疫機能に影響が出ることが動物実験でわかり、人でも生じている可能性があると報告されている」と危険性を指摘する学者も多くいます

 このダイオキシンを大量に摂取させられた人もいます。ウクライナの元大統領のユシチェンコ氏で、彼を暗殺するために食事にダイオキシンが盛られていたのです。その結果彼は倒れ、顔面には黒い発疹ができたために人相がすっかり変わってしまいました。現在は回復されましたが、2mg程度の量を食べさせられていたようです
  このようにダイオキシンは青酸カリみたいな即効性のある毒物ではありませんが、人に対しての毒性があり、発癌性もあるようです。ちなみに
国際がん研究機関 (IARC)はダイオキシンをグループ1の「人に対して発がん性がある」と評価しています


   さて話は変わりますが、割烹や寿司屋で食べるヒラメの薄造りは大変旨い物で、このとき提供されるヒラメのほとんどが養殖物です。ヒラメなどの養殖は海辺や海の中が当たり前のことですが、海のない県である群馬県の赤城山中でも、()電力中央研究所がヒラメやトラフグの養殖に成功させ、群馬ヒラメのブランド化に成功させました
  ヒラメは雄より雌の方が成長も早く餌も少なく済むので、近頃はバイオテクノロジー技術を利用したヒラメも登場しています。ヒラメの精子を雌しか生まれないように染色体を操作するので、卵子に受精させても雌のヒラメしか生まれません。このバイテクによって生まれたヒラメを海などに戻しますと、生態系のバランスを崩すことになりますので、このバイテクは養殖専用の技術になっています 


  このように動物界の頂点に立つ私達人間は、バイテクやその他いろいろな技術や化学物質を使って、私達の生活を向上させることを常に考えています。その結果私達は海の生物などの生態を狂わせてしまい、貝類やカニなどの雌を雄化させた事例もあるのです

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