第六章 塩を上手に選ぶには 612

  ⑮のNa2SO4は硫酸ナトリウムで、岩塩以外の塩に含まれることは少なく、入浴剤の原料として使われます
   ⑯のpHは気にする必要はありません。pH7.0が中性、それより小さければ酸性、大きければアルカリ性です

 

⑰の結晶形については立方体、フレーク、凝集、微粒凝集、粉砕などがあります
  立釜を利用した食塩などの結晶形は立方体状が多く、さらさらして使いやすいのが大きな特徴です
  再製天日塩やいわゆる自然塩などは平釜を利用すると結晶形は凝集状やフレーク状になり、フアットした塩で早く溶けます
  噴霧製塩の結晶形は微粒凝集状になり、早く溶けるのが特徴です
  天日塩や岩塩は粉砕するので結晶形は粉砕状で、溶けにくいなどの特徴があります
  実際にいろいろな塩を使ってみますと、どの料理にはどの結晶形が合うかが理解出来るはずです


   6-2は微量成分(微量ミネラル)のことで、海水中にはそれほど含まれていません。測定下限を超えて含まれている塩が多くありますが、豊富と喜んでいいのか、それこそ微量(微妙)です。微量ミネラルは他の食品から摂取出来ますので、塩の中には多く含まれていない方が喜ばしいことだと思います
   クロム(Cr )マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)アルミニウム(Al)、ヒ素(As)水銀(Hg)(Pb)  

   クロム(Cr)について
  双子のママでもあるアメリカの女優ジュリア・ロバーツが主演した「エリン ブロコビッチ」なる映画があります
  六価クロムを不法に垂れ流す企業を相手に、ジュリア・ロバーツ演ずる貧乏で学歴もない
 三人の子持ちのシングルマザーが活躍する映画です

   アメリカのどこにでもいるような主婦が、莫大な和解金を手にしたサクセスストーリーです。しかしこの映画はクロムの怖さも教えてくれます

  クロムは私達の身体に微量必要なミネラルですが、食事を三食きちんと食べれば、間違いなく摂取できるミネラルです
  塩の中のクロムは三価クロムで毒性も少ないようですが、熱などの刺激を与えると六価クロムに変わり、猛毒を帯びる可能性があるようです
  クロムの慢性中毒は皮膚、粘膜を刺激して皮膚炎、クロム潰瘍を起こし、気管支ぜんそく、肺がんになります。急性クロム中毒は腹痛をともなって緑色のものを吐出し、血の混じった便をします。重症になると尿に血が混じり、痙攣を起こして気を失って死に至ります
  もちろん塩には六価クロムも三価クロムもいらない物質です
  日本調理科学会の「
市販食塩の品質」によりますと、測定下限値を上回る製品が13516点もありました
クロム潰瘍・・・クロムによって胃や腸の粘膜がただれること 


   マンガン(Mn)について
  正常な食生活をしていれば、マンガンが欠乏することはほとんどありません。マンガンが不足すると、骨などの発育不全、傷の治りが遅い、動脈硬化、麻痺、けいれん、めまい、難聴、運動障害などがあらわれます。
 過剰症は神経痛、パーキンソン病、運動神経障害、不安感、脱力感、記憶・判断力障害などの症状があらわれます
  日本調理科学会の「市販食塩の品質」によりますと、測定下限値を上回る製品が
135点中100点もありました

 

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