第六章 塩を上手に選ぶには 621

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第二節 塩の使い勝手の良さ 
   塩の専売制の華やかなりし頃、食塩に対しての料理人たちの評価は「普通の家庭では食塩さえあれば充分で、それ以外の塩は一切いりません。食塩は全ての料理に使える大変便利な塩で、例えば吸い物にも、野菜や魚の煮物にも、魚の塩焼きやタイや鮎の化粧塩にもまた漬物にも利用できます」と専売公社に彼らは媚を売っていたものです
 そして
TVなどに登場すると「サラサラしていて使いやすく、シンプルでまったくくせがありません。ほとんどのプロも愛用しています」と食塩を褒めちぎることを忘れませんでした

  しかしある日突然「君子は豹変する」ではありませんが、「塩は料理の命で、食塩は使い辛く、化学塩で味もよくない」と言いだした有名料理人も多くいます
  まるで彼らはイソップ物語のコウモリと同じで、専売が最盛期の頃は食塩派の「動物」で食塩をベタ誉めしていたのです
  専売廃止目前になると、急に「食塩は使い辛い」と勢いのある自然塩派の「鳥」に変節したのです。そもそも彼らが永年使用していた塩が、急に使い辛くなるのでしょうか


  さてこのサラサラタイプの食塩の使い勝手を考えてみましょう
   私は年に何回かは漬物を漬けますが、始めた頃はよく失敗したもので、食塩の品質を疑ったこともありました。
  しかし私の義母は大量にいろいろな種類の漬物やおまけに味噌まで食塩を使って漬けたりしていました。失敗らしい失敗もなく、誰もが彼女の漬物の美味しさを絶賛するのです
  母の漬物作りを見ながら、自分の失敗の原因が何かと探りますと食塩がサラサラしていることが原因だと気づいたのです


    野菜を洗ったあとで食塩を上から振ってやると、湿気があるので野菜に付着します。しかし干した野菜に食塩を振ってやりますと、サラサラしているので付着しないで容器の底に落ちることが多いようです
  底に落ちたのでは塩の効きが悪く、野菜を漬けても塩が効かないために腑抜けの漬物が出来たり、場合によっては腐ったりするわけです
  食塩で漬物を漬けるときは湯冷まし
()を使って塩に湿気を帯びさせれば、上手に漬物を漬けることが出来ることが分かりました
  このような手間暇かけるのが面倒なら、安全性があり、水分を多く含んだ、溶けやすいフワッとしている再製天日塩が良いようです

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