第六章 塩を上手に選ぶには 644

そしてホームページやパンフレットなどに自然塩の話とか、他社批判、高ナトリウム塩批判とか、また食塩と自社との比較成分表を載せてあるメーカーなどは、信頼性が乏しいのです。その塩を摂取したことにより、病気が治癒したり予防出来たりする効果を謳う塩や、その類の本を出しているメーカーなどは問題外です
  また大手消費者団体の商品カタログや注文リストに商品名があっても、あてにしてはいけません。塩に関しては大手消費者団体と雖も、塩の知識がなかったり、歪んだ塩の世界観をもった消費者団体も少なくないからです
 もちろん有名な医学者や栄養学者、また料理学校の校長などが推薦していても、よい塩とは限りません。なぜなら彼らは金さえ出せば喜んで推薦してくれるからです。有名な料理人やコックが宣伝している「この塩を使うと・・・。料理が一味も二味も違う」の塩なども、眉唾ものと思えば間違いありません。一部の学者たちと同じで金さえ出せば二つ返事で推薦文を書いてくれます

そして亜鉛(添加してあるものは別)、アルミニウムクロムなどが多く含まれたも要注意です。それらは海水由来でないものが含まれているからです。また不溶解分0.01%以上の塩も避けるべきでしょうし、コーデックスに違反しているような塩も除外すべきです。これらのデーターは前述しましたように「市販の食品の品質Ⅱ」や塩事業センターが販売している「市販食用塩データブック」に記載されていますので、大いに利用して下さい

 最後になりましたが、私は食塩が万能で一番良い塩とは間違っても思っていませんし、逆に最悪な塩とも思っていません。本書で述べたように、自然塩を支持する諸先生と違って食塩を家庭で使用する価値は十分あると思います
  たしかに自然塩食塩では製造方法などには大きな違いがあり、ミネラルなどの含有量も大きく違うものが何点かあります。しかし塩の家庭での毎日の摂取量安全性、塩に含まれるミネラル量とその所要量などを鑑みれば、食塩自然塩とは大差がありません。また調理に使用してみても、食塩だけが勝ったり、劣ったりするのではありません。要はずば抜けて優れた塩があるのでなく、一長一短があり、ほとんどの塩がドングリの背比べ状態であるのが私の認識です

塩にはいろいろな特徴や用途があるのはお話しした通りです。どのような特徴や用途の塩を選ぶかによって、自然塩がよいのか、食塩がよいのかが分かれるわけです
  それ以外の塩の選び方には、塩は食品ですので安全・安心を最優先に考える人もいるでしょう。塩の中に含まれているミネラル分が命と思っている人も少なくありません。また塩は調味料ですので使い勝手も大切な選択肢です。それ以外に値段で考えるのか、ブランドで考えるのか、これらが単独でなく複雑に絡まっているのです。星の数ほど販売されているから、安全で安心で使いやすいだけでなく、用途や特徴を十分に踏まえた上で塩選びをして頂きたいものです

塩は家庭において1.2g弱しか摂取しませんが、このわずかな量に生命維持ミネラル安全(安心)健康調味料の役割などと大きな期待を込めている人がほとんどです。一人一日当たり食塩なら0.12円、高い塩でも9円で、これらの願望がすべて手に入れることが出来るなら、これほど安い食品は他にないのかも知れません

 

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