第四章 自然塩 正体見たり 不純物  431

もっとも信頼が出来る食品流通業者や大手スーパーのPBの中には、今も昔も製塩が盛んであった地名がついた塩があります
  商品名が日本の製塩地ですし、パッケージには日本のきれいな海がプリントしたものもありますので、純国産のイメージしかありません
  裏面には天日塩(メキシコ産)ときっちりと記載されおり、違法ではありません。しかし私達が錯覚するようなネーミングやプリントは・・・・・
  でもこのような行為は商売としては誰でもが考えることで法にも触れません。実際に塩にはこのような商品が未だに多くあります。そのためにも私達は塩について勉強して、正しい知識を入手して賢くなるしかないのです


第三節 塩の表示は誰のためにあるのか
  専売制の末期の頃から自然塩業者たちは、マスコミや一部の大学の先生方々を自然塩陣営に取り込み、膨大な食塩のシェアーを食い続けました
  新規参入のメーカーが増えても、販売量は落ちるどころか増え続けて、我が世の春を楽しんでいました
  マスコミも自然塩側の主張に合わせた番組を作り、私達に繰り返し自然塩の良さを放送しましたので、盤石な自然塩の世界が出来たように思えました

  しかし塩の自由化が始まると風向きに変化が見られ、新規参入業者がイナゴの大群のごとく塩事業に押し寄せたために、企業間競争が激化したのです
  また私たちも塩について勉強するようになり、塩の知識を持つ人が増えて東京都や公正取引委員会などに、塩の表示などについての苦情を申し出る人が多くなったからです


   それを受けて前述しましたが、まず東京都が実際に60品目の塩を買い求め、農林水産省のJASなどや公正取引委員会の景品表示法に基づいて調査をしました
  その結果半数以上に不適正表示があり、表示の適正化を
業者などに呼びかけたのです
  そのあとに先程の家庭用塩製造販売業者九社が、景品表示法違反の優良誤認の疑いで警告が行われたのです

                

   その一年以上前に食品新聞社が世話人となり、「塩のいろいろな問題」について大手塩業者などが参加した座談会が開かれていました。その座談会を契機に家庭用塩の表示を統一するための「家庭用塩表示検討懇談会」が組織されたのでした
  消費者が誤解しないで分かりやすい家庭用塩表示の仕方のルールと、公正競争規約を作成するための勉強会も開かれるようになったのです
  東京都の消費生活部、公正取引員会取引部、農林水産省消費安全局、厚生労働省医薬食品局などから講師を招いて、表示についての講義と意見交換会を開いたのでした
  この勉強会において役所と業界との間に、また業界内部でも塩についての考え方に温度差が見られたようです

  しかし勉強会などを重ねるにつれて、表示はメーカーのためにあるものではなく、消費者の塩選びを手助けするためにあることが理解できるようになったのです
  その結果「適正表示」の重大さが理解出来、一部のいわゆる自然塩業者などの頑な態度も和らいだのでした
  そして業界内部と役所との温度差もある程度解消出来るようになり、食用塩の表示に関する公正競争規約が出来たのです。


   大きな特徴として 専売制の頃には根拠なく無秩序に使われていた用語や表現を規定しており、「自然」「天然」「自然海塩」などは使用できません
  またイメージだけで合理的な根拠がなく、他の製品よりも優良であると誤認させる「ミネラル豊富」「身体に良い」などを表示すると不当表示の疑いも出てきます
  そして原材料、産地、製造
(加工)工程などの製法も決められ、その用語を使っての義務表示となりました
  後述しますが、あとは一部の曖昧用語の修正と、再製天日塩メーカーなどが使っている本来の意味と違う粗塩の定義の規定、そして最低限の塩の規格も必要だと思います

                     

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