第一章 食塩、汝の名前は化学塩 111

第一章 食塩、汝の名前は化学塩1

 

 私たちの身の回りには、食に関する事件が多発しています。特に中国産食品の事件が目立ち、TVや新聞などで大きく報道されたものでした
  未認可の酸化防止剤が使われた中国産の
 肉まんをファミレスが提供、人にも影響を及ぼすほどの高濃度のヒ素や水銀が蓄積した中国産ウナギを、スーパーなどが販売したこともありました。そして日本では不許可になった抗生物質を使用した中国産の鶏肉や魚介類などが、また高濃度の残留農薬が見つかった中国産野菜(冷凍も含む)などが新聞紙上をよく賑わしたものです

  最近の事件としては、中国で有害物質の
*1メラミンを添加した牛乳を飲んで、膀胱結石などで死者まで出した事件がありました。この牛乳を使用していた日本の食品会社は慌てて、使用していた商品を自主回収したのです。メラミンは水で薄めた牛乳でも、タンパク質濃度を高く偽ることが出来る物質です。そういえば中国では牛乳が高価なので、古い皮靴から偽物の牛乳を作る業者があると、週刊誌などが数年前にレポートしたこともありました。また悪臭を放つ下水道などから、黒く濁った赤みを帯びたクリーム状の物をかき出し、それを濾して精製した食用油(地溝油))が中国では流通しているそうです
  「皮靴から
牛乳」「メラミン添加の牛乳」「下水道から食用油」などと中国人の創意工夫には感心する次第です。これらの事件の多くは食品を扱う中国人のモラルの欠陥、安全・安心に対する知識や関心の低さ、衛生概念などのなさが指摘されています。そして中国は国自体が工業化を最優先しているために、公害によって大気、また田、畑などの土壌、そして海、湖、河川などの水や海水なども汚染されています。これら汚染された場所で作ったり、採ったりし野菜や魚介類などにも大きな影響を及ぼしているのです


   中国産食品事件の真打はなんといっても「毒入り餃子」でしょう。犯人は反日感情を抑えることが出来なかった者の仕業か、それとも反政府、あるいは製造会社に怨念を持つ者の仕業か、はっきりと分かっていません

  これらのいろいろな中国産食品の事件から、私達は「中国産食品や輸入食品は安いけれども、安全・安心ではない」と敬遠するようになり、「高いけれども、国産品の方が安心・安全」と認知されるようになったのです。ですから中国産と表示してあれば売れ行きが芳しくありませんので、国産品として偽装する食品も出てくるわけです

*1メラミン添加の牛乳・・日本での牛乳の取引は乳脂肪等の固形分量で取引される。しかし中国ではたん白質量含有量で取引される。牛乳を水で薄めてもメラミンを添加するとたん白質量含有量を高く偽ることが出来る 

  じゃあ国内大手食品業者が製造する食品は安心・安全なのでしょうか
   「雪印乳業食中毒事件」は雪印乳業の北海道大樹工場で停電があり、その時作られた脱脂粉乳が黄色ブドウ球菌に汚染されていたのが原因でした。同社の大阪工場ではこの汚染された原料で乳製品を作ったために、約一万五千人の人が食中毒に罹ったのです。 雪印は汚染商品の回収や消費者への告知を早急にすべきものを、事故を甘くみて回収や告知が遅れたために、事故が拡大してしまったのです。この原因は工場での食の安全や衛生管理などが出来ていなかったからだとも言われています

  そしてアメリカ産輸入牛肉の
BSE問題。そのBSE問題から始まった大手食肉問屋やハムメーカーなどの国の補助金詐欺もありました。これは安い輸入牛肉を国産牛肉と偽って補助金を詐取した事件です。儲かるなら法律違反でもする企業体質の顕れでもありました

  また大手洋菓子メーカー「不二家」は原料の消味期限
切れ牛乳を使用して、シュークリームを製造していたことが内部告発から発覚しました。その後の調査では賞味期限切れた鶏卵、リンゴ加工品などの使用した数々の洋菓子を出荷していたことも分かったのです。この不正の事実を掌握しながら隠蔽しようとした企業体質、衛生管理のずさんさなどが指摘された事件でもありました
  これら多くの食の事件を惹き起こした原因は、食を扱う企業としての安全・安心への意識への低さ、企業モラルの低下による罪の意識のなさ、そして積極的にコンプライアンスへの取り組みが見られなかった点でしょう

                                   次のページ