第一章 食塩、汝の名前は化学塩 114

塩の味については、JT対自然塩の対立姿勢が鮮明になったころ、一部の料亭の主人、和食の有名な料理人、洋中華のコックなどが急に自然塩支持に宗旨替えをして*11食塩を批判をし始めたのです
  「舐めると食塩は直線的の辛さしか感じず、自然塩とはっきりと違いがわかる。自
然塩を料理に使うと素材をいためることなく、まろやかに、またいろいろな味を引き出してくれる」とか、「お吸い物や煮物、漬物はもちろんのこと、魚に一汐当てたとき、自然海塩の天然の効果による違いがはっきりとわかる」などと自然塩をベタ褒めしはじめました
  そして「 塩専売廃止」についての議論が煮詰まると、批判内容はさらにエスカレートしたのです


    食塩などの精製塩は安全性が確認されていないので、摂取は危険」、「食塩摂取は高血圧の原因になるが、自然塩はミネラルが豊富で、血圧を下げる健康塩である、すなわち食塩や並塩は生活習慣病の原因である」の類の批判情報がほとんどでした
  しかし中には「
食塩摂取は安全・安心であり、ミネラルも自然塩とそれほど変わらない」とか「自然塩は身体に良くない」という全く逆な情報も多く届くようになったのです
  私達はこの相反する情報に狼狽することも珍しくありませんでした。これら塩の情報について
JT(専売公社)に問えば丁寧に答えてはくれましたが、自らが積極的には塩の情報公開、すなわち発信はしていませんでした

   

さて次の一~十ついては、「塩の常識」として私たちの間で現在も通用している情報です。このうち正しいと思う答えはいくつあるでしょうか(正解は巻末にある)

一、自然塩はミネラル豊富である、特に微量ミネラルなどは、野菜や果物からあまり摂取出来ないので、自然塩から積極的に摂取すべきである
二、
精製塩などは化学塩(科学塩、工業塩)で摂取は危険である
三、
精製塩の摂取は生活習慣病の主の原因となる
四、
精製塩だけが、他の塩と比べて極端にミネラルが少ない
五、
自然塩を出来るだけ多く摂取すべきで、血圧などを下げて生活習慣病の予防にもなる
六、
イオン交換膜を利用した塩は、塩への膜の溶出の危険性や、そして塩の安全性がはっきりと確認されていないので摂取は大変危険である
七、
食塩自然塩を同じ料理に使うと自然塩の方が美味しく出来上がる
八、良い塩とは
自然塩のことで、特に値段が高い塩を言う
九、
自然塩は私達の身体の血漿や羊水と成分が似ている
十、
自然塩は安全・安心して摂取出来る

*11食塩・・・現在は塩事業センターから販売されている。イオン交換膜を利用した塩で、世界一安全・安心な塩と言われており、シェアーは70%前後

   これら一~十は、自然塩派の諸先生や業者などの御本やパンフなどを通して、私達に発信した塩の情報です
  この影響を受けて、世間においては、自然塩は「善の枢軸」で、「全てに適った良い塩」として、マスコミも好意的に現在も扱っています。それに引きかえ食塩や並塩などは「悪の枢軸」の代表で、「生活習慣病の起因である」として、私達には悪評さくさくのこの頃です
 そんな不安がある
食塩を三千五百万世帯(食塩のシェアーが七割から類推)の御家庭で使われています。この悪評を、すなわち前述の一~十ついていろいろな角度から検証を試みてみました 

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